研究室について

病気を未然に防ぎ健康維持・増進、そして身体に優しい医療を

 日本が長寿世界一であり人口の高齢化は周知の事実ですが、癌を含む生活習慣病は、その高齢化に加えて、診断技術の向上も相まって年々増えているのが現状です。

 西洋医学では病気が見つかってから治療が始まるというのが従来の体制でしたが、悪性腫瘍に限らず、脳血管障害を含む循環器疾患、糖尿病などの代謝疾患、リウマチなどの自己免疫疾患など、進行した病気はいずれも治療に大変難渋し、患者さん自身にも仕事に支障をきたすばかりか、時間的・経済的に大きな負担となります。

 これからの時代は、より早い段階で、或いは発病前に病気を発見し、予防と治療を開始することが必須となります。その為にも、古来からある東洋医学の様に未病の段階で心身の異常を見つけ出し対処する(じょうこうは未病を治す)事が大切で、それを近代の高度な診断技術を駆使して行うことが理想と考えられます。

 他方で、抗加齢医学の分野では、細胞の老化の大きな要因として「酸化」が鍵となること、長寿遺伝子の発見とその研究が進み、結果カロリーの過剰摂取は細胞の老化を早めてより早く死に至ることを突き止め、更にはその長寿遺伝子の刺激物質のレスベラトロールというポリフェノールが同定され、サプリメントとしても普及しています。

 又進行した病気に対する治療法として、より患者さんに侵襲(負担)の軽い薬剤や手術法も様々な分野で進歩してきており、胸部や腹部外科の内視鏡手術、脳血管・冠動脈を含む様々な臓器の血管内治療は、最近では大動脈瘤のステント治療、大動脈弁のカテーテル置換という領域にまで発展しており、低侵襲治療として普及しつつあります。

 更に白血病は高率で治せる病気となり、かつては不治と思われたエイズも、今や死なない病気となってきました。但し、かつての致死的な病の治療薬はとても高額のため、日本の医療費も今や40兆円超えと問題を抱えているのも事実です。だからこそ、病気は予防することこそが大切と言えます。

 このように古来からある患者さんに優しい医療の原則と、現代に至る高度な技術と最新の研究成果を統合(駆使)して、皆さんの健康維持と増進を目指すのが当研究室の目標です。

 室長である私は、医師になってからの30数年間を、消化器外科、心臓血管外科、東洋医学、その他の代替療法、ホリスティック医学、製薬企業での新薬の開発と普及、都内のクリニックでの開業医としての経験、更には未病を少しでも早く見つける為の健康診断センター長という現職を活かして、目標に向かって日夜努力しています。

 具体的には以下に述べるような体制で、機能的な活動を継続しています。

  1. 循環器内科・外科専門医としての活動(禁煙外来も継続)
    • AOI国際病院副院長としての業務
    • ケイアイ秋葉原クリニックでの循環器外来
    • 関連病院での心臓血管外科手術に参画し最新医療技術を研鑽し、レベルを維持
  2. 医療顧問・コンサルタントとしての活動
    • ファイザー(株)の循環器メディカルディレクターの経験を活かした医薬品・医療機器による疾患治療に関するアドバイス(PharmaInternatinal、AMSクリニック等)
    • 産業医としての活動
  3. AOI国際病院自体+依頼企業での産業医活動(東京都内と川崎市周辺)
    • 健診センターでの病気の早期発見に関する活動
    • AOI国際病院副院長・健康管理センター長としての業務
    • 尚、健診業務では国内遠隔地、近隣諸国の医療ツーリズムも視野に入れて活動
  4. 心臓血管外科・循環器内科の学会、抗加齢医学学会による医学情報のupdate

ご挨拶

 抗加齢・統合医学研究室室長の熊丸裕也です。

 1980年に医師となって以来、先ずは大学の外科学教室に入局し、一般外科研修を受けた後、迷いながらも(体力に自信が無いけど、癌を告知せず患者さんに本当のことを言わない診療科も辛くて)心臓血管外科を専攻しました。

 上司の計らいで早期に海外留学を経験し欧米と日本の格差に驚き、もっと日本の医療も合理化すべきと米国での医師資格を取ろうと奮闘したものの、カリフォルニア州の州法が変わって日本の医学教育では資格試験の受験もさせて貰えず落胆。

 臨床経験を積めなかった米国留学にガッカリして帰国した後、現場で臨床経験出来る南仏(モナコ公国の心臓胸部疾患センター:心臓外科医なら皆が知るVincent Dor先生の元)で、半年間で心臓移植を含む300例の心臓手術を経験し、意気揚々と帰国したのが平成元年でした。

 しかし何の定めか、翌年に1週間寝込むほどのひどい腰痛に見舞われ、椎間板ヘルニアと苦戦しながら心臓手術に入る日々が続き、悩んだ末に一旦前線から退くことを決意しました。

 振り返るとこれが僕の大きな人生の転機となり、腰痛の養生をしながら周囲の勧めで、東洋医学をはじめとする代替医療の研究・勉強を開始、当初は怪しんでいたものの、案外馬鹿に出来ないものと理解して、様々な分野を学びました。漢方・鍼灸に限らず、インドの伝承医学アーユルヴェーダ、整体やカイロプラクティック、ホメオパシーや音楽療法、アロマセラピーなどありとあらゆるものを実体験してみて、様々な効果があり得ることが解りました。これらをまとめて人間を臓器別でない全人的な包括的な視点で診るというホリスティック医学というものに出会ったのもこの頃です。この間、それまでの医療従事者だけでなく、様々な人と出会うことも出来て、人間の幅の大きな広がりを感じたのです。

 ところが、これで一段落かと思いきや、次は何と外資系製薬会社に入社することに!

 初め、外科医が薬の会社に入って何が出来る?とお断りしたものの、直属の上司英国の精神科医に、「これからは新薬の開発や普及にも医師に力が必須だ」と言われただけでなく、「君は国際派のようだが、入社すれば世界中を飛び回れるぞ!」の一言に、人参に飛びついたバックスバニーが僕でした。

 そこでは頻回の世界旅行を楽しんだだけでなく、戦略会議におけるSWOT分析、ブレインストーミングなどの手法を取り入れたマーケティング(ビジネスは戦争である!)と言う概念、つまりビジネスのKnowHowや、部下をやる気にさせるコツ(リーダシップやコーチング)の研修も会社が受けさせてくれる有り難―い体験でした。大学の教授にならずとも全国の教授の方々(殆どは循環器系でしたが)ともご懇意となりました。深謝!

 しかし残りの人生をこのまま企業にいて患者さんを診療しないのでは医師免許を取得した意味がないと、臨床に復帰する決意をしました。勿論製薬業界にいた間も週1度は心臓手術の手伝いに入り、腕(skill)と感(sense)を落とさないで居たからもあります。

 当時の上司の計らいで、大学関連病院での臨床復帰を実現できました。がしかし、自分が以前前線にいた頃のようには、若い医師が患者さんの管理をしてくれるわけでもなく、術前術後管理から手術当日の夜通しの監視・管理、緊急時の呼び出しも全て自分という状態では、50歳を過ぎ、製薬企業在職中に大病を経験した自分には長く続けられない事を悟り、(雇われ院長ながら)開業医としての道を選びました。

 この時もそれなりの苦労は色々とありましたが、地域医療の大切さ、病診連携、患者さん思いの医療の大切さを学ばせて貰いました。(黒瀬君有り難う)

 でも未だ自分には違う医療が何か出来ると思った僕は、或る方のお誘いで、某総合病院の立ち上げに協力して欲しいと言われ現職に就任しました。 主な仕事は健康診断・人間ドックとなっていますが、それまでの経験を活かして、企業の産業医だけでなく、医学知識を使ったアドバイザー、健康相談、先端医療に関わる仕事なども継続、開始しています。

 これまでの経歴を上手くそしてフルに活用できるようにと、抗加齢・統合医学研究室を数年前に立ち上げました。最近の目標として現在は医療の国際化に携われるよう奮闘しています。

 皆さん自身や職場の方の健康、医学知識の質問など、何か気になることがありましたら気軽にご相談下さい。

抗加齢・統合医学研究室長 熊丸 裕也

定款

平成27年4月追加改訂
平成23年4月1日

設立目的

 人口の高齢化とともに益々多様化する疾病の予防と、健康寿命の延長を図る加齢対策を目的として、西洋医学のみならず、東洋医学やその他の代替医療を駆使して人々の健康管理を追求する為に、抗加齢・統合医学研究室を設立した。

第1条

 室長熊丸裕也の医師としての活動の中に、日常の臨床(主として外来診療)、健康診断、産業医業務、健康相談を含み、設立目的を追求すべく学会参加による最新情報の取得も重要な要素である。

第2条

 一個人の活動には限界もあるため、年3,4回程度の定期的な勉強会を招集し、多分野からのインプットを得るべく開催・実施するものである。この内容に関しては毎回報告書を作成し保存すること。

第3条

 急増する循環器疾患、糖尿病、悪性腫瘍などの生活習慣病の予防を研究室の主目的としているが、罹患患者を対象としないのではなく、疾病に対する最新医療の問い合わせ、早期治療の召喚、セカンドオピニオン医師の紹介、緩和ケアに関する問い合わせにも応需する。

第4条

 疾病予防症例の1つとして禁煙の奨励は重要な要素であり、禁煙外来診療だけでなく循環器学会が勧めるように国民的な運動とすべく活動の中に盛り込む。

第5条

 研究室の活動内容を、室長熊丸裕也のHPにも掲載し、広く情報発信を進めていくこととする。

概要

名称 抗加齢・統合医学研究室
AntiAging-Integrated Medical Center
所在地 〒106-0041 東京都港区麻布台2-1-2-103
電話/FAX 03-5544-8430
メールアドレス kumamaru@aaimc.com
代表者 室長 熊丸 裕也
循環器専門医、外科専門医、抗加齢医学専門医、人間ドック学会認定医、日本医師会認定産業医
設立 2012年4月1日